お疲れ様です。
仕事で高圧ガス保安法という法律に携わることになってから3年目の去年、高圧ガス製造保安責任者試験(丙種特別)を受け、無事合格しました。試験合格までの一連を綴っておきたいと思います。
なお、免状はまだ作成していない模様。
高圧法についてもいずれまとめておきたいと思っています。
高圧ガス製造保安責任者試験について
まずはこの資格についてざっと説明します。
主な試験区分は甲種化学、甲種機械、乙種化学、甲種機械、丙種特別、丙種液石、一種冷凍、二種冷凍、三種冷凍。
他に販売に関する資格等もありますが割愛します。
冷凍とそれ以外は毛色が違うので、今回冷凍は考えないことにします。
詳しく知りたい方は高圧ガス保安協会のホームページをのぞいてください。
難易度は甲種と一種が大学院レベル、乙種と二種が大学レベル、丙種と三種が高校レベル。
試験はペーパーテストのみで実技試験はありません。
試験形態は甲種が記述式で、それ以外はマークシート方式。
試験は学識、保安管理技術、法令の3科目。
合格基準の調整等はなく、合格基準を充足すれば誰でも合格できることになってます。
資格の取得方法
これらの資格を取得する方法が大きく2つあります。
ひとつは、毎年11月に実施される国家試験を受験し、出題される3科目全てで合格ラインに達すること。国家試験一発勝負ってヤツです。
もう一つは、高圧ガスガス保安協会という団体が実施する講習を受講し、学識と保安管理技術に関する検定試験(要はテスト)に合格し、11月の国家試験で法令のみを受験してパスすること。
なお、検定試験をパスできなければ国家試験で全科目を受験する必要があります。
講習について
講習は平日3日間で、各科目の講義が1日ずつあります。
検定試験は土曜日か日曜日に、それぞれ行われます。
いずれも定員が設定されていて、定員に達すると申し込み期間内でも募集が締め切られます。講習を一日でも欠席すると検定試験を受けることができません。検定試験に法令科目はありませんが、こちらのルートだと講義だけは受講する必要があります。
そして国家試験より検定試験のほうが問題の難易度が易しめ。そんな事情もあってか、合格率は後者が圧倒的に高いです。
ろくたのケース
ろくたの場合、丙種特別という一番易しいレベルの試験区分を後者の方法で乗り切りました。
ド文系で化学や物理の知識はほとんどありませんでしたが、講習自体はそんなろくたでもついていけるものでした。いや、一部意味不明な部分もあったか。圧縮機の構造とか分類とか。
そういった部分はとりあえず検定試験に受かればOKというスタンスで捌きました。
なぜか乙種だけはオンライン講義でした。ただし、検定試験だけは実地受験という何ともビミョーな対応。
講習を申し込もうと思って申し込み状況を確認した段階で、自宅から一番近い会場は定員に達していた。なので、自宅からかなり遠くの東京会場で講習を受講しました。滞在費が高かったのはいい思い出です。そういえば、最終日にスーツケースを傍に置いて講義受講してた人が複数名いました。欠席者も一割くらいいたような。
もし地方から都内で講習を受けることを考えている方で、会場から離れた場所にホテルを予約する場合、下り方面の電車で会場最寄駅に到着できる場所にあるホテルの予約をおすすめします。会場入りする時間帯、ホテルに戻る時間帯ともにガッツリ通勤時間帯とかぶりますので。
講習後の検定試験には、過去問題集を1回転して試験に臨みました。
過去問を眺めるとわかるのですが、検定試験、国家試験ともに過去問の類題が繰り返し出題されています。
合格した今だから思いますが、丙種については中身を理解し切れていなくても過去問をやってればパスできます。
とりあえず資格だけ欲しいって方は、テキスト(高圧ガス保安管理技術、という名前の書籍)はスルーして、過去問題集を数回転して国家試験に臨むのがコスパ的に最良。
ある程度知識を固めたいのであれば講習受講&検定試験&国家試験のセットメニューがよいかと。
免状交付申請で気をつけたいこと
試験に合格し、免状交付申請を行う時に注意すべきことがひとつあります。
それは、免状は試験を受けた都道府県知事から免状が交付されるということです。例えば、神奈川県在住の方が東京都で国家試験を受験して合格したら、東京都知事に免状の交付申請をしなければならないことになっています。
多くの方は自分が居住している都道府県で国家試験を受験するでしょうが、試験会場の制約等で居住地以外の都道府県で試験を受験しなければならない場合にはご注意ください。免状交付申請時、申請書に貼付する収入証紙(収入印紙ではありません)の購入先が異なることになりますので。で、居住地以外の自治体の収入証紙って結構入手しづらいんだわ。そして誤って収入証紙を購入した場合の返金作業もメンドクサイ。
自治体によっては県内外の収入証紙取扱先一覧をPDFファイル等で公開しています。取扱先はそうそう変わるものではないので、ダウンロードしておくと他の手続きにも使えて捗ります。ちなみに、甲種はどちらも経済産業大臣が発行元なのでそんな心配はないと思います。
ろくたの場合、講習を東京会場で受講、検定試験を東京都で受験(検定試験受験先は講習を受講した都道府県であることが条件)、国家試験を宮城県で受験、という状態でした。なので、免状交付申請は宮城県知事に対して行うことになります。ろくたの居住地は居住地は東京都でも宮城県でもありませんが、そういうことになっています。
ちょっと調べてみましたが、宮城県の収入証紙は宮城県内でしか入手できないようです。心の中で、県外の指定代理収納機関でも扱っとけよ!と思ったのは内緒です。
どのレベルの区分まで取得するか?
色々と区分があるこの資格をどのレベルまで取得するか、という点について。
全国展開している高圧ガス関連企業で現場に携わりたい方は、最終的に化学ではなく機械で甲種を取得することをお勧めします。理由は、高圧法上、甲種機械所有者にはできて甲種化学所有者にはできない業務があるからです。そういった企業であれば社員教育の一環として資格を取らされることになるでしょうけど。
ちなみに製薬業なんかを目指している方には甲種化学をお勧めします。
ただ、甲種は化学も機械も問題が気違い染みてるので無理に手を出す必要なしというのがろくたの感想です。チラッと問題を見ましたが「○○(例えばアンモニアとか)について述べよ」的な問題で大問一問とかなんなのマジで。模範解答みたけどあんな風に解答できる御仁て何者だよ。マジでどんだけマニアックなんだよ(具体的には、アンモニアの物性、生成方法、用途、取扱の留意点等をひたすら書き連ねたものが模範解答として示されていました。フザケンナコノヤロー。他には、計算問題の解答過程を全部書かせてみたり。数学かよ。あーもームリムリムリムリー。)。
高圧ガスの仕事をするなら、化学でも機械でもいいのでまずは乙種の取得を目指すのがいいと思います。一方で、高圧ガスの仕事の中でも丙種液石だけ持っておけばいいような業態もあります。液化石油ガスしか扱ってない会社で丙種特別持っても実務上殆ど意味ないですし。そういう環境なら丙種液石で十分です。後は自己研鑽の世界。その辺は会社に入ってから考えてください。それでも遅くありません。
今年の試験を受験するか?
ろくたは今年の国家試験を受験しようか迷っています。受けるとしtら乙種化学。
迷っている理由は来年今の業務から離れることがほぼほぼ確定しているから。
だってこの資格、他の部署に異動したら全く役に立たないし。
何はともあれ、この記事が高圧ガス製造保安責任者試験を受験しようか考えている方の参考になれば幸いです。
ではでは。